ダラ奥こしあんの家族大好き!

未就学児×2と姑とのギリギリな日々を綴ります。松江塾ファン。

息子の寂しさ

ここ最近の夫は忙しい。

平日、家にいられる時間帯は朝か深夜のみ。土日は打ち上げられたクラゲの如く床の上に突っ伏して「うー」とか「あー」しか発さないドロンドロンに煮崩れたおっさんになる。

中高年はツラいよ

私達夫婦は晩婚&ギリ高齢出産だったので、2人とも徹夜でもしようものなら翌日使い物にならない。

削られた体力と年々失われる筋力、日々の突発的なトラブルで擦り減り続ける精神力をエナジー飲料でドーピングし、眠い目を擦りながら朝のコーヒーを淹れると、30分後ぐらいでやっと頭も体も起動する。夫婦揃って朝からカフェイン過多である。

でも、そうしないとやってらんない。なので、今はこの不健康な状態に甘んじているが、いつかはカフェインに依存しない生活へシフトしたいとは思っている。

無駄話が長くなった。息子と夫である。

重いが故に

息子と夫は相思相愛だが、夫より息子の方が夫へ向けるベクトルが重い。そんな関係だ。

夫はクラゲから、甲羅干しをする亀ぐらいにマシになっても、少しでも動けば子供達が群がってくるので、動けるようになっても息を殺して家事かスマホゲームをしている事が多い。

息子は平日一緒にいられなかった分の鬱憤を土日で晴らそうするので、夫がコソコソと子供達に見つからないよう動いている事に気づくと烈火の如く怒り、そして拗ねる。

そんな事が日常茶飯事なので、息子が夫にキレ散らかしていても何とも思わないのだが、昨晩は違った。

お父ちゃんがいい…?

夕方の事、晩飯を何とかレンチンで乗り切ろうと耐熱ボウルに切り分けた材料をぶち込んでいる最中であった。

階段下から「かあちゃーーーーーーん(怒)」という息子の怒鳴り声が聞こえてきたので、何事かと思い向かってみると、そこには居心地の悪そうな夫と瞳孔が開くほどに怒り心頭状態の息子がいた。

勘弁して欲しいと思いつつ2人の言い分を聞いていくと、なんと、原因はほぼ私であった。

手書きの宿題

授業の復習は市販の問題集ではなく、授業用のプリントの内容をノートに書き写したものを使っている。

一部、数値を変えたり、単語を変えながら毎朝数パターン、ノートへ書いておくのだが、今日は国語の文章題を書きつけたノートのページが少し余ったので、余白に息子の好きな「点つなぎ」を描いておいた。これがいけなかった。

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👆見ての通り、何の変哲もないヒヨコである。

息子は可愛い動物が大好きだ。可愛いは正義なので、可愛くないものに対する嫌悪は激しく、私の描いたヒヨコは息子のお眼鏡にかなうどころか激しい怒りまで買ってしまった様なのだ。

そして怒りの矛先は「こんな可愛くないものを描いたお母ちゃん」と「こんな可愛くないものが描いてあるノートで勉強をさせようとしたお父ちゃん」であった。もう、訳がわからない。

両親とも息子の怒りが理解できずお手上げ状態となり、息子は息子で「もぉおおおお!!何で分からないの?!」と私達の不理解を責めてきた。

日々の我慢の矛先

息子にしたら、甘えたい相手が平日忙しいので仕方なく母ちゃんで我慢していたのに、この仕打ち(可愛くないヒヨコ)は許せない、と今まで溜め込んでいたものを爆発させたのかもしれない。

しかし、私としては勉強が少しでも楽しくなるように行った工夫だったので、この息子の反応は予想外であり、そして理不尽であった。

このまま息子VS両親を続けても平行線。私達親子は交わることの無い価値観を巡って不毛な争いを続ける事になる。

息子のカオスに飲み込まれ、我々はもう、夕飯前に体力も気力も尽きようとしていた。その時だった。

救いの神

義母がソッとTVをつけ、息子の好きな「高速パトロール24時」的な車に関する番組にチャンネルを回してくれた。

すると、息子は夫を睨みつけていた目線を逸らし、自然とTVの方に吸い寄せられ、座布団を用意するとTVの前に正座しながら目の前で起きている事件にのめり込んで行った。

あの、私達に対する理不尽な怒りは何処へ行ったのだろうか。私達は呆気に取られた。

釈然としないまま、私は晩飯作りへ戻り、夫はソファーに倒れ込んだ。問題は解決してないが状況は解消した。

なぜ、あのタイミングだったのか

無事、晩飯を終わらせて食卓を片付けている時に、義母へ、あの時、どうしてTVをつけたのか訊いてみた。

すると「息子は怒る事に飽き始めていたよ」との事だった。さらに、「あんなくだらない事で怒り続けて親の気を引きつけても、面白くないって分かったんじゃないか」とも言っていた。

私達は息子の怒りをどう宥めるか?しか考えていなかったが、義母は少し遠くから息子と私達のやり取りを俯瞰して、息子の寂しさを感じ取っていたそうだ。私達は気付けなかった。

一晩経って…

息子は朝からガン切れ状態だった。

夫が息子より先に起きて居なくなってしまったから怒ったそうだ。いつもの事なのだが、昨日の息子の寂しさが頭の片隅にあったので、息子と話をした。

夫は息子に声を掛けてから身支度をする為にベッドを出た事、その後息子は気のない返事をして寝てしまった事など、その時の状況を説明して、今、息子が抱えている怒りはお門違いであり、夫へ素直に「一緒にいて欲しい」と伝えたらどうか?と提案した。

息子は2〜3分唸らながら考えた後で夫の元へ向かい「おとーちゃん!!!キライ!!!」とブチギレていた。

私が思った方向へは進まなかったが、息子は多少スッキリした様子だった。

息子の抱える寂しさに思いが至らなかった事を省みると、三語短文に限らずだが、我が家は日常会話が足りてない事に気付かされた。

私が子供達の話を聞いてやれていない事が大きいだろう。どうしても身体の不自由な義母の方を優先してしまうし、仕事をしている時はどうしても応対が杜撰になる。

そして、日々の事をこなす為に、頭の中は次にやる事で一杯なので子供達の話を聞きながら上の空になっている。

何とかこの状況を脱したいが、まだまだ無理だろう。5月ごろまで忙しい。

だが、息子の寂しさは頭の片隅に置いて、息子を見続ける事は出来る。

出来る事をやっていくしかないだろう…。