ダラ奥こしあんの家族大好き!

未就学児×2と姑とのギリギリな日々を綴ります。松江塾ファン。

とうとう始まった

終業式が終わって元気はモリモリ、腹はペコペコ状態で午前中に帰宅した子供達。

息子は幼稚園で種から天塩にかけて育てた大事なトマトの苗を抱きしめ、娘は「おばあちゃんに見せるの!!!」と、制作の時間で作った風鈴(プラスチックのコップに鈴)を鳴らし続け、帰宅後30分程、2人が思い思いのタイミングでトマトと風鈴について五月雨に熱く語るのを受け止め続けた。

2人とも大事な我が子(トマトと風鈴)が如何に育ったのか(時間をかけて作られたのか)を、時系列はバラバラな状態で思いつくがままに語り、時折り「お腹減った」を挟んでくる。

立板に水のようにスラスラとトマトについて喋る息子と、聞き取りに集中しないと話の内容が7〜8割理解不能な娘の話を、即答必須な取引先へのメールをしたためているタイミングで聞かねばならず、また頭の片隅には「昼飯つくらな」と「制服着替えさせて、幼稚園からのお便りと宿題チェックして、あ、朝ごはんの片付けも済んどらんかったわ〜…」と、マルチタスク炸裂状態の私が何かをしでかすのは必然の事である。

勿論「今、母ちゃん仕事中だから、後で話を聞くね」は2人には通じない。後で、が滅多に来ない事をもう知っているからだ…。

遅れて届いたプレゼント

30分も喋らせれば2人とも段々と落ち着き「お腹すいた〜ご飯作って〜」ぐらいしか言わなくなった。

これから夏休みだ!ってんで、昼食はテンション高めに出前でマックを頼み、床に新聞紙を敷き、届いたものを丸く並べて3人で胡座をかき、山賊ごっこをしながら食べた。

山賊の棟梁はもちろん私である。子分2人(子供達)に今日の収穫(ハッピーセットのおまけ)は何だったのか報告させ、内容が良かったら褒美(ポテト3本)を与える…という、しょうもない遊びだったが3人共盛り上がってしまい、1時間ぐらい山賊になりきって昼飯を楽しんだ。

そんな昼飯の終盤に突然、インターフォンが鳴った。確認すると身に覚えのないAmazonからの配達だったので、訝しみつつ中身を確かめると、そこには息子の為に数ヶ月前に予約していた絵本が入っていた。

息子くんばっかり!!!!

この4〜5日ほど、息子の誕生日でプレゼントやお祝いの電話等を受け取っていた為、少し拗ね気味だった娘。

娘は、誕生日だから息子にだけプレゼントが渡るのは仕方ないと分かっているようなのだが、自分だって素敵な何かが欲しい!という欲求が高まっている最中だった。

このタイミングで絵本を息子に渡すと、2人が喧嘩になるのは分かっているので、何かしら理由を付けて息子の手に絵本が渡るようにしなければならない。

「届いた荷物は何〜?」と子供達がまとわり付いて来るが、マルチタスクで疲弊した頭では考えても考えても良い言い訳が全然思いつかなかった。

仕方がないので、素直に「今届いた絵本は息子へのプレゼントだよ」と言った瞬間、娘が「息子君ばっかり、ズルい〜〜〜!!!!」と案の定、泣き出してしまった。

分かってはいたけど、目の前で崩れ落ちながら号泣されると辛い。娘にもプレゼントを準備すべきだったが、失念していた。

顔中クチャクチャになりながら泣き続ける娘に「明日、娘ちゃんの好きなネイルして、お買い物に行こう、好きなものを買おう」と語りかけても「いやだ〜!あの絵本が良いーーーー!!!!」と頑なに絵本を欲しがるので、本屋さんで同じ絵本を買おうと伝えても「この絵本がいいの!!!」と譲らない。

あまりにも泣くからか、息子が「絵本、娘ちゃんにあげる…」と小さい声で言ったのだが、声が震えており、顔を見ると目に涙を一杯に溜めていた。渡したくないのは明白だったし、こんな顔の息子に絵本を譲らせる事はできない。己の無計画さを呪いたくなった。

救世主

それから暫くして、義母がデイサービスから帰って来た。玄関先で車椅子の移乗を手伝う時に、義母に子供達が泣いている理由を伝えた。

義母は「う〜ん…。それは困ったねぇ…。絵本は息子君の物だとして、問題は娘ちゃんがどうしたら納得して手放してくれるかよね」と解決の糸口を見出していた。

それから子供に見えない場所でサッとティッシュに包まれた何かを出して「これで何とかならないかねぇ」と、渡してくれた。

中身はチョコマフィンの切れ端だった。

大泣きしている娘に、こっそりとマフィンを見せながら「欲しい?」と訊くと、パァ〜と笑顔になり「欲しい!!」と言うなり絵本を手放してマフィンを食べ始めた。

娘に「絵本はいいの?」と訊くと「息子君にあげる!」と元気よく答えてくれた。

息子は手元に絵本が戻って来て大喜びだった。

 

…と、こんな感じで我が家に夏休みがやってきた。

私のハンドリング次第で子供達の夏休みが左右されるので、責任は重大だ。心して掛かろうと思う。